- Natsumi - Birh Educator
掲載コラム(6) 妊娠したい方向けのセラピー
第六回:妊娠したい方向けのセラピー
サンフランシスコ・ベイエリアの情報誌、J-Weeklyに毎月連載しているコラム(Happyままガイド)
です。
出産に関するトピックが中心のこのコラムですが、今日は、妊娠したいのになかなかできない、という悩みをお持ちの方向けのセラピーをご紹介したいと思います。
妊娠したくてもできない、という悩みを経験したことのあるカップルは、全体の10~15%にも上ると言われています。なぜ妊娠に至らないのか、検査等によって医学的な原因が特定できる場合もあれば、はっきりした原因が分からない場合もあります。
近年の研究では、心の状態やストレスが妊娠に与える影響の大きさが注目されています。女性が妊娠するためには、脳から女性ホルモンが分泌され、その情報が生殖器官に伝達される必要がありますが、ストレスが多い状況ではそれが阻害されてしまいます。「今は子供を産むのに適した状況ではない」というシグナルが心から体に送られてしまうためです。女性ホルモンの分泌や伝達がうまくいかなければ当然、排卵や着床も起こりにくくなります。もちろんこれと同様、ストレスは男性の生殖機能にも影響を与えます。
妊娠力をアップさせるヒプノセラピー
深いリラクゼーション状態で潜在意識に働きかけるヒプノセラピー(催眠療法)は、妊娠に導く効果が非常に高いことで知られています。あるリサーチによると、ヒプノセラピーによって不妊治療の成功確率が2倍になったという結果が出ています。
当方は米国HypnoBirthing® Instituteの認定Fertility コンサルタントとして、妊娠したい方向けのヒプノセラピーを行っています。セラピーの内容は、個人のケースによって異なりますが、主な内容としては以下のようなものがあります。
ストレスや不安の解放
不妊に悩む方たちは様々なつらい思いを抱えています。周囲からのプレッシャー、時間的なあせり、自尊心を傷つけられるような思い、罪悪感、子供が生まれた友人から取り残されたような孤立感、期待と失望の繰り返し、夫婦関係に与える影響など・・・。また、過去に流産等の悲しい経験をしている方も少なくありません。
ヒプノセラピーのセッションで深くリラックスし、ストレスや不安、怒り、悲しみを一つ一つ解放すると、心が軽く自由になっていきます。それとともに、心と体が本来のバランスを取り戻していきます。
妊娠を妨げている思いの解放
どんなに子供が欲しいと思っていても、自分でも気付かない相反する思いが、知らず知らずのうちに妊娠を妨げてしまっていることがあります。自分が育った家族の価値観(特に妊娠、出産、性、子育てに関すること)、過去の経験、トラウマ、パートナーとの関係、キャリアなどが影響し、子供を持つことに対する不安やネガティブな感情に結びついていることは珍しくありません。
ヒプノセラピーで心の奥底にある思い込みやネガティブな感情を解放し、ポジティブな思いに昇華させることによって、心身ともに妊娠しやすい状態へと変えていくことができます。
治療の成功率アップ
このセラピーは、人工授精等の不妊治療をされている方にも最適です。不妊治療には肉体的、精神的にも大きな負担が伴うため、治療そのものがストレスとなって妊娠しづらくなってしまうことも少なくありません。
セラピーの中では、治療のストレス解放や、治療の効果を最大限にするイメージ作りを行っていきます。また、自己注射の苦痛を減らす方法や、結果待ちの日までをポジティブに過ごす方法など、自身の経験に基づいたアドバイスもさせていただいています(私自身、数回の体外受精を経験しています)。
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セッションの回数はケースによっても異なりますが、3~5回をお勧めしています。ヒプノセラピーによって心と体を癒し、自律神経やホルモンのバランスを整え、新たな気持ちで赤ちゃんを迎える準備をしてみませんか?