- Natsumi - Birh Educator
掲載コラム(10) よくあるご質問(2)
第十回: よくあるご質問(2)
サンフランシスコ・ベイエリアの情報誌、J-Weeklyに毎月連載しているコラム(Happyままガイド)
です。
このコラムでご紹介しているヒプノバーシングは、Hypnosis(催眠=深いリラクゼーション)のテクニックを使って、自然でお母さんと赤ちゃんにやさしい出産をするためのプログラムです。前回に引き続き、ヒプノバーシングに関してよくあるご質問とその回答をご紹介します。
(5) 「催眠」と聞くと何となく怖い気がしますが、なぜ出産に催眠テクニックを使うのでしょうか?
「催眠」と言うと何か特殊なことのように聞こえますが、実際は人が誰でも日常的に経験する自然なことです。例えば、夜、眠る前に心と体がリラックスしているとき、時間が経つのを忘れて映画や本などに没頭しているとき、などが催眠状態と言えます。
つまり、催眠とは基本的には深いリラクゼーション状態と考えていただければと思います。ですので、もちろん安全です。
この状態では、顕在意識よりも潜在意識の方が活発になり、心がポジティブな変化を抵抗なくストレートに受け入れることができるようになります(とはいっても、自分自身が望まないことを受け入れることはなく、誰かに「操作される」といったこともないのでご安心ください)。
HypnoBirthingが催眠のテクニックを使うのには3つの理由があります。
1.心と体を深くリラックスさせることで、体に備わる自然の出産機能が最も効果的に働くようにします。
2.出産に対する不安や心配を取り除き、幸せな気持ちで自信を持ってお産に臨めるようにします。
3.イメージ法を使って、理想的なお産や、赤ちゃんが産道を降りてくるところをはっきりとイメージすることで、心と体がそれを実現する方向で働いてくれるようになります。
(6) ヒプノバーシングを使うと意識がない状態になるのですか?
全くそんなことはありません。ヒプノバーシングのテクニックを使ってリラックスした状態でも、周りで起きていることはすべて分かり、子宮の波動や赤ちゃんが降りてくるところを実感できます。
そして、周りのことに必要以上に気を取られることなく、穏やかにリラックスして自分の体と赤ちゃんに集中することができるようになります。
(7) 病院の出産クラスとどう違うのでしょうか?両方受けなければなりませんか?
HypnoBirthingを受講されるのであれば、病院等で行われている通常の出産クラスを受ける必要はありません。病院の出産クラスは「いかに良いPatient (患者) になるか」を学ぶのに対し、HypnoBirthingでは、「いかに良いParent (親) になるか」を学びます。
病院の出産クラスでは「お産が進むにつれていかに痛みが増していくか」「どのような異常ケースがあり、それに対してどのような医療介入があるのか」というような不安の元になるような情報を多く受け取ります。
それに対し、HypnoBirthingでは、出産の仕組みを正しく理解し、女性が本来生まれ持っている自然の出産能力を最大限に発揮できるように学びます。とはいっても、現実ばなれした理想論では全くありません。HypnoBirthingで学ぶテクニックは、練習さえすれば誰でも実行でき、実際にお産の場で役に立つものばかりです。
またHypnoBirthingでは、病院での出産を想定して、病院の環境で自然出産をするにはどうしたらいいのか、病院に提出するバースプランの準備や、どのように医療スタッフとコミュニケーションを取ればいいのか、といったことも詳しく学ぶので、病院での出産クラスを取らなかったからといって困ることはありません。
一方で、病院見学には参加されることをお勧めします。入院手続きや駐車場、夜間入り口などの確認をしておくことで、当日落ち着いて行動することができます。また、出産する部屋を見ておくことでイメージトレーニングに役立てることができます。